初心者の長唄三味線お稽古の記録 2015年

2015年5月習い始めるまで

5月4日、明治座の五月花形歌舞伎を観に行きました。この日はじめの演目は、市川右近さんが曾我五郎をつとめる「矢の根」。歌舞伎十八番らしい、大らかで豪快なお芝居です。

急遽チケットを取った結果、1階3列目の右端の方のお席だったのですが、これがちょうど上手の三味線奏者の真ん前。「矢の根」の場合、お客さんに見える状態で演奏をされます。いつもは耳だけで楽しんでいる三味線ですが、至近距離での迫力あふれる演奏に思わず目も釘付け。特に、三味線のソロで聴かせる部分もあり、緊張感あふれる速弾きに惹き付けられました。


「矢の根」が終わり、「男の花道」が終わって帰る道すがら、「矢の根」の三味線の興奮が冷めやらない私は、ソロ演奏を披露されていた方のお名前をインターネットで検索。SNSのプロフィールには、「お稽古やってます」の文字。

1週間ほど躊躇った後、ドキドキしながら連絡を差し上げました。そうして、初めてのレッスンの日が決まったのです。

2015年5月21日 1回目

明治座の舞台のあと、レッスンをしていただくことに。公民館の部屋を借りてレッスンをされることもあるとのことですが、お互いの時間・場所の都合から、新宿のカラオケボックスにて初回レッスン。

私はまだ何も持っていない状態なので、先生がお稽古用の三味線を持ってきてくださいました。組み立てながら、三味線の構造や扱い方、調弦の方法などをお聞きしました。組み上がった後、弾き方をご説明くださるのですが、サンプルとして弾いて下さるのが「勧進帳」だったり、下座音楽(歌舞伎のBGM)だったりするので、それを間近でお聞きできるだけで、私は大興奮です!

その日は、椅子に座って弾く場合の構えや撥の持ち方などをレクチャーしてもらって、とりあえず音を出してみる訓練。通常の奏法、スクイ、左手の指でのハジキ。もちろん、きれいにはできないのですが、一通りレクチャーを受けた後、「勧進帳」の中の簡単なフレーズを教えていただきました。

ゆっくりだし、他の弦もさわってしまうので、音も不安定なのですが、それでも、聞き覚えのあるフレーズが自分の手から奏でられたときの興奮といったら!!……その後、塾で授業だったのですが、終始テンションが高かったと思います。

大人の趣味のレッスンということで「興味のある曲を練習しましょう」と言っていただき、畏れ多くも、最初の題材は「勧進帳」に。簡単なところを中心に練習するようです。

2015年5月25日 2回目

1回目のレッスンの後、先生が楽器屋さんと相談しながらお稽古用の三味線を頼んでいてくださいました。間もなく完成するとのこと! そうしてモチベーションが最大限に高まったところで、残念ながら、直接のお稽古は1ヶ月お休みなのです。(先生が鴈治郎襲名@博多に出演されるため。)

その間、弾きたくなったときのために、楽器の扱い方などについて再度詳しく教えていただきました。変な癖などついてしまうかもしれませんが、自分なりの練習はできそうです。(1番難しいのは調弦ですが、そちらはKORGの三味線チューナーの力を借りたいと思います。)

その後は基本的な構えの復習。
(1)手首の力は抜きながらも、バチには力をこめること。
(2)向こう側にはじこうとして弾くのではなく、上から振り下ろしておさえること。
(3)左腕が下がったり、バチが立ってきたりしてしまうことに気をつけること。
この辺りがなかなかできません。

前回に引き続き、『勧進帳』の「こだまの合方」のところをお稽古。まだまだ左右両方の手がうまくいくことは少ないですが、大まかなイメージをつかむまでやったところで、先生の演奏を録音させてもらいました。

もし練習がはかどったら……ということで、「寄せの相方」の部分も録音させてもらったのですが、その演奏を聴いていること自体が楽しいです。