2015/5/24(日)五月大歌舞伎@歌舞伎座 「慶安太平記」「蛇柳」「め組の喧嘩」 - 国語教師・吉田裕子WEBサイト | 大人向け古典講座・ライター・塾講師・家庭教師(東京都武蔵野市)

2015/5/24(日)團菊祭五月大歌舞伎@歌舞伎座 「慶安太平記」「蛇柳」「め組の喧嘩」

日曜日ということもあり、お客様は大入り。一幕見席も大賑わいでした!


まず、「慶安太平記」の立ち回り、とっても楽しかったですね。負傷し、流血しながら応戦する丸橋忠弥の見得には、尾上松緑さんのあの目ヂカラがたまらない。本当、規格外の目ヂカラです。


河竹黙阿弥のセリフの魅力を満喫する作品でもありました。冒頭、泥酔した丸橋忠弥の「まず今朝家で朝めし前の迎え酒に二合呑み」から始まるセリフは、下駄がちょうど講談の張り扇のような効果になって、本当に小気味良いのです。


そして、助演男優賞は犬ですよね。犬。


「蛇柳」は能がかりの演出と言い、学僧が四人連れ立って出てくる感じと言い、何だか「勧進帳」のような印象を受けました。海老蔵さんがあともう一呼吸、間をとってお話しされたら、きっともっと重厚感が出て良いだろうなぁ、と。


「め組の喧嘩」は初めて拝見する演目でしたが、とても楽しい作品だと『浅草の勘三郎 夢は叶う、平成中村座の軌跡』(荒井修さん)で読んでいたので、とても楽しみにしていました。そして、実際に、とーっても楽しかったです! 江戸っ子!!


あんなにたくさん舞台に人がいるのも楽しいし、蔦火消に相撲、芝居小屋、江戸の風物もたくさんあって、お祭りに参加したような高揚感。


今回はいらっしゃらなかったのですが、尾上松也さんが、この演目を大好きだと語っているインタビューがあったので、年のころが辰五郎に当たる頃(35歳)に是非やってほしいですねー。亀右衛門は坂東巳之助さんで、お仲は中村米吉さんで! 若い面々でやると、また違う感じになると思うんです。


さてさて、楽日近くの観劇で楽しみなのは、舞台写真。今月の歌舞伎座は、舞台写真の買い甲斐がありました!(今月分は6/1〜25に、歌舞伎座の5階にある土産物屋にも並びます。)


「慶安太平記」ど迫力の立ち回りをおさめた尾上松緑さんの1枚に、尾上菊之助さんと市川海老蔵さんの見目麗しいお写真をそれぞれ。そして、大好きな坂東巳之助さんが7枚も発売されていて、思わず2枚お買い上げ。中村米吉さんと中村隼人さんのも買ったところ、あっという間に7枚でした……


一、慶安太平記(けいあんたいへいき)

丸橋忠弥

丸橋忠弥 松 緑
女房おせつ 梅 枝
駒飼五郎平 亀 寿
勝田弥三郎 歌 昇
母おさが 右之助
弓師藤四郎 團 蔵
松平伊豆守 菊之助

二、歌舞伎十八番の内 蛇柳(じゃやなぎ)


丹波の助太郎実は蛇柳の精魂/金剛丸 海老蔵
阿仏坊 亀三郎
覚圓 亀 寿
普門坊 巳之助
誓願坊 尾上右近
徳善坊 種之助
随喜坊 鷹之資
住僧定賢 松 緑

三、神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)

め組の喧嘩
品川島崎楼より
神明末社裏まで

め組辰五郎 菊五郎
女房お仲 時 蔵
九竜山浪右衛門 又五郎
柴井町藤松 菊之助
背高の竹 亀三郎
三ツ星半次 亀 寿
芝浦の銀蔵 歌 昇
伊皿子の安三 萬太郎
おもちゃの文次 巳之助
御成門の鶴吉 竹 松
新銭座の吉蔵 尾上右近
二本榎の若太郎 廣太郎
亀の子三太 種之助
狸穴の重吉 廣 松
烏森の竹次 隼 人
花籠の清三 男 寅
山門の仙太 鷹之資
左利の芳松 橘太郎
三池八右衛門 松之助
葉山九郎次 橘三郎
神路山花五郎 由次郎
宇田川町長次郎 権十郎
尾花屋女房おくら 萬次郎
露月町亀右衛門 團 蔵
江戸座喜太郎 彦三郎
四ツ車大八 左團次
焚出し喜三郎 梅 玉
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